前回は、何故装備スロットだけでは装備の管理がしきれないのか?ということを説明しました。一見できそうなものでしたが、各部位のメッシュの干渉が起きて、とてもいびつなビジュアルになってしまいました。というわけで、それを解決するために、いよいよArmorAddonの出番です。あと、今回も超長いです。画像も100kクラスでいっぱいです。
過去記事はこちら。
もう1つのスロット「ArmorAddon(アーマーアドオン)」
装備スロットというのは、インベントリ(アイテム欄)的に、装備のつじつま合わせをするスロットです。今までの例がそうでしたよね。ローブ着てたら帽子ダメとか、フルフェイスかぶってたらサークレットや帽子ダメ、とか。台帳管理の問題です。それに対してArmorAddonは、ゲーム内での実モデルに対して、グラフィック的な装備部位を決めるスロットであります。更に、さきのローブと手甲と具足が混ざっちゃってるような状態にならないように、部位ごとの表示プライオリティを設定できます。プライオリティの一番高い奴がグラフィックとして表示されます。なお、ArmorAddonは以下AAと記します。
参考に、もう一度装備スロット図を上げておきます。これも参照しつつ読んでください。スロット番号は装備スロットもAAも同一です。
ArmorAddonのスロットとPriority
最初は、シンプルにSteelArmorのAAを見てみましょう。
SteelArmorのAA
装備スロットのときと似ています。真ん中の「Biped Object」がAAで使うスロットです。ですがAAでは32番以外にも使っています。
- 34:forearms
- 35:amulet
- 38:calves
の3つです。インベントリ上では只の胴装備なので、装備スロットは32番だけでしたが、「グラフィック」として表示するのは、前腕と脛、さらにアミュレットも隠す、という設定です。
もうひとつ重要なのは、左側に「Priority」の項目があります。これは男女別で設定できるので2つあります。これはAAを使っている装備の優先順位で、Priorityの値が最も大きい装備のグラフィックが、設定部位の表示グラフィックに設定されます。SteelArmorのAAのPriorityは「5」になっていますので、Priority「3」のアミュレットを装備していたら、それはSteelArmorで隠れます。Priority「7」のアミュレットを装備していたら、SteelArmorの上に表示されます(メッシュの位置関係で埋まることは有ります。表示する/しないの設定だけなので)。
まだちょっと『??』って感じだと思いますが、前回のHoodedRobeとEbony装備を例にして、説明していきます。
それではHoodedRobeとEbonyGauntlets、EbonyBootsのArmorAddon(以下AA)を見てみます。
HoodedRobeのAA
この装備のAAは2つあります。メッシュが分かれているので。装備スロットの欄で、複数のAAを登録できます。
Ebony手足との比較をしたいので、今は上はスルーして、下の胴側のAAだけ見ることにします。使っているスロットはSteelArmorと同じ32、34、35、38で、Priorityが12です。SteelAmorは5だったので、ずいぶん大きいです。では比較対象のEbonyにいきます。
EbonyGlovesのAA
EbonyGlovesです。33:hands、34:forearms、36:ringでPriorityは10です。10未満の指輪装備は表示されなくなる、ということです。34:forearmsが胴装備と被っています。比較してみると、
- SteelArmor Priority5
- HoodedRobe Priority12
- EbonyGloves Priority10
つまり、前腕部分のグラフィックの表示は、
- SteelArmorとEbonyGlovesの場合はEbonyGlovesの前腕が表示される
- HoodedRobeとEbonyGlovesの場合はHoodedRobeの前腕が表示される
ということです。これがローブの袖から手甲がはみ出ないからくりの正体です。SteelArmorの場合は、いわば「半袖」なので、forearmsのPriorityは小さく、HoodedRobeの場合は「長袖」なので、Priorityが大きいという訳です。
ブーツの場合も同じです。
EbonyBootsです。37:feetと38:calvesでPriority10です。胴装備と脛の部分が被ってます。ということは、
- SteelArmorとEbonyBootsの場合は、EbonyBootsの脛が表示される
- HoodedRobeとEbonyBootsの場合は、HoodedRobeの脛が表示される
SteelArmorの脛部分は、いわば「短パン」なので、Priority低め、HoodedRobeの場合は踝まで届くロングな裾なので、Priority高めになっています。これでブーツの貫通を防ぎます。
ArmorAddonでのその他設定
左側に.nifファイルの登録している箇所が、男女別で有ります。これが装備のメッシュファイルをespに紐付けしている設定です。また、種族によって異なるメッシュやスロットを割り振ることが出来ます。獣人と人間種族、おなじメッシュの装備じゃ体に合いませんので、別のメッシュを割り当てたりします。
ArmorAddonを追加してみる例
「Ohsama Ring」という装備を作ってみました。仕様は、
- 装備スロット 60:misc
- AA 32と60 Priority10
- 紐付けしたメッシュは「Malebody_1.nif」
これが何の役に立つかといいますと、
またこいつです。相変わらずの褌なのですが、すでに「Ohsama Ring」を装備しています。
インベントリです。褌一丁に見えるけど、実はSteelArmorをしっかり装備してます。王様リングのAAのせいで、インベントリ上は装備してるのに、グラフィックは褌一丁のメッシュに入れ替えられています。女性キャラでこれを作ると・・・たまらないですね。
ちなみに上のインベントリ、使用しているスロット番号が表示されています。SkyUIのプラグインで「show armor slots」というのがあります。ネクサスには無かったような気がします。LLにあるのでグーグル先生に聞いてみてください。
ちゃんと着てます穿いてますよ~
以上、おつかれさまでした。
・・・・っていったら怒りますよね?構造は一通り説明しましたけど、肝心の「スロットの入れ替え」をまだやってないですものね。王様リングの例は、Malebody_1.nifを32番:胴という、そのままの仕様で使っているため、esp変更だけで作れました。ですが、「スロット47のリュックを60にしたい」といった入れ替えは、この作業だけでは出来ないんです。メッシュファイルに登録されている装備スロットも変更しなければなりません。
最終回とかいいながらすいません、もう1回続きます。次回、これまでの記事の内容プラスNifskopeを使って、アクセサリ系装備のスロット変更をやってみます。
Nifskopeの基本操作は出来る前提でいきます。
スロット変更の実例
※20150301修正。「Ohsama Ring」装備スロット60のみです。32はAAだけの間違いです。インベントリのSSでは60のみで正しいです。スロット32もつかってたらSteelArmor脱げてますね・・・