環境の再構築のついでに、久々にキャラメイクもやってみました。
個人的に非常に不得意分野です!
競合対策するよりよっぽど難しいですね・・・
初めてSkyrimやった時に作った爆乳お姉さん(もうデータ無くしましたorz)、ブログのSSに使ってるちんちくりんの2個しかマトモに作ったことなかったので、実質まだこれで3回目なのですが(汗)
そんな訳で、人様にあれこれ言えるようなレベルの高いキャラクターメイクはできないのですが、自分が注意してることをまとめてみました。美術的センスが常人以下なので(料理の盛り付けとか酷いですw)、フィーリングは捨てて計測で作ってます。
キャラメイクの方向性
「かわいく作る」とか「かっこよく作る」みたいな抽象的な目標は排除して、「正しく作る」ことに注力してます。美術的観点で正しいか間違ってるか僕には分かりませんが。キャラクリ上手な人が作る程にはいかないにしろ、まあ個人的に妥協できる程度には、なんとかなってる気がしてます(自分では、ですが・・・)
エンジニア的視点だと、「かわいい」とか「かっこいい」という評価は、「正しく作る」ということを実践した結果に発生する物な気がするので。F1のエンジンとか見るだけでかっこいいですけど、別に美術品目指して作った訳じゃないですよね。要求性能を満たす高性能を実現した結果、かっこいいビジュアルなんです。「泣ける映画を作ろう」的発想で作った映画って、大抵駄作ですよね(笑)
※装備の互換性や動いた時の破綻等も考慮して、正しくないけどそのまま放置してる所もあります、まあ「妥協」ということで。
気をつけたいこと
「整っている顔」の法則に従ってキャラメイクするのが良いかと思います。ゲーヲタにはアニヲタも多いと思いますが(僕もそうですけどw)、「萌え絵」の顔を参考にするのはよした方がいいです。基本的にリアル人間のパーツで構成された顔をアニメ調でモーフさせても、クリーチャにしかならないですから。
作業時は、常に全体を見渡すことを心がけるのがいい気がします。あまり一点だけに集中しすぎると、他のクリアランスの異常を見落としがちです(翌日見たら酷かった的な)。
普段よりちょっと離れてディスプレイを見てみると、全体像を掴みやすいです。
「レシピ」と呼ばれるスライダ情報だけを真似たり、ECEのCMEデータをダウンロードして適用しても、ネットでアップされてるSSの顔が再現できることは稀です。メッシュの違いやテクスチャの差(ディフューズ、スペキュラ、ノーマル)の影響は非常に大きく、僅かな違いでも大きく顔の造形に影響がでます。ENBやその他光源調整でも大きく見栄えが変わります。結局はこれも環境に合わせたDIYですかね、自力でなんとかするしか無いです。
※Enhanced Character Editを使ってキャラメイクしてる人は、XP32 Maximum Skeleton Extendedを入れるとスライダ設定のiniファイルの上書きがあるので、顔の造形に関するパラメータがいくつか無くなりますのでご注意を。例えば目尻や目元の高さ調整やカーブ具合とか。ECEEの追加スライダですかね。今回はECE+XPMSで作成しました。
視野角の設定に注意
(20151014追記)大事なこと書くの忘れてました。
FOV(Field Of View)、いわゆる視野角です。ゲーム時にも色々調整してますよね。ですがキャラメイク時にあまり大きく取りすぎると造形がおかしくなります。
FOV30とF0V85の比較。顔だけアップにした場合、FOV85だと玄関の覗き穴から見たような魚眼になってます。30だとそうでもないですね。FOV85でキャラメイクしたら相当おかしなことになるのは想像つくと思います。
なんでこんなことになるか?を以下説明してみます。
FOV30で見るオッサンの顔
FOV30(視野角30°)でオッサンの顔を見ている様子です。赤線内の領域が視界になります。
FOV30で視点からオッサンまでの距離がこの程度であれば、SSのように視界一杯に顔が収まります。
緑の矢印は、目からデコまでの距離と、目から鼻先までの距離を表します。
視点とオッサンとの距離がそれなりに離れてるので、大体似た様な物です。鼻先までの方が5%程度近いだけ。したがって鼻がちょっと出っ張ってる、程度にしか見えません。
FOV85で見るオッサンの顔
次はFOV85(視野角85°)です。85°で視界一杯に納めるには、相当近づかないといけません。見苦しいですね・・・
この時のデコと鼻先までの距離を比べると、鼻先までの距離がデコまでの距離の半分ちょっとしかありません。
あまりに視点が近すぎる為、鼻とデコの高さの違いが誤差で済まないレベルになっています。
つまり鼻よりデコの方が倍近く遠い為、結果として魚眼レンズのように見えてしまいます。
そういう訳で、キャラメイクの際は視点とキャラの距離を十分確保することをお勧めします。あまり小さすぎるとディティールが見えなくなってしまいますので、30°位が丁度いいと思います。
どこでキャラメイクするか?
光源次第で顔の見え方が大きく変わるのは誰もが経験してると思います。お気に入りの場所があればそれでもOKですが、時間や天候で環境光の変化が無く、光源のバラつきが無い撮影スタジオ系MODが良いかと思います。ここで見えるのが「嘘偽り無い顔」なんじゃないでしょうか。
僕個人はReview Studio With Green Screen RoomsとかOsare Dioramaを使ってます。
Review Studioは一様な環境光の中で試せて、Osare Dioramaは向き次第で色々な陰影を試せる、といった感じ。
構造キーポイント
以下に目安となるパーツの相対関係をまとめておきます。あくまで目安です。外れてる=不細工とは限らないです。
・・・専門的に絵や造形やってる方から見たらツッコミ所満載かもしれませんが(汗)
生え際、眉、鼻、あご先の間隔は基本的にどれも等距離です。図はちょっと生え際低めに描いてしまいましたが(笑)
年齢が代わってもアスペクト比が変わるだけでこの距離感は大体同じですが、年齢を下げたい時は少し額を広くとっても良いかも?
見上げたり見下ろしたりするアングルがベストショットといった場合は、この比率もしくは頭のアスペクト比を見直してみるといいかもです。
目の位置
目は顔の上側にあるような気がしますが、頭頂部からアゴ先の間で計測すると、目はほぼ中心線上にあります。いかついオッサンの時は中心線のちょい上側とか、子供の場合は下がります。
目と目の間のクリアランスは、目1個分が目安。その実顔に対して目の占める面積というのは非常に狭く、「目を大きく」を意識しすぎるとあまり良い結果にならないです。
頭の輪郭とのクリアランスは目1個~ちょい狭い位で。萌え絵調に輪郭とのクリアランスを狭くすると、結構不気味になる気がします。
顔の三角形
両目の端と下唇の下端を結んでみると正三角形になります。これは慣れている人でないと、なかなか目測で正しく計れないと思います。人の目は精密計測には非常にいい加減なので、正三角形に見えてもその実かなりズレてることが多いです。
SS撮影して計ってみるのがおすすめ。
生え際、眉、鼻、あご先が等距離でも、この三角形がズレてると、なんとも言えない微妙な顔に。
高精度でドンピシャである必要は無いですが、あまり外れるとおかしなことになりやすいです。ただし大きく外れててもビジュアル的にOKな場合もあります。
小鼻と口
左の赤い線、目の端と上唇の角を結んだ直線の内側に、小鼻が収まる感じで。鼻は気持ち大きめに作る感じ。
右の青い線、口を一杯に広げた時の口角の位置が、おおよそ目の中心と同じ位の位置に。キャラメイク時はちょっと内側でいいと思います。あとは趣味で。
唇は、上唇より下唇を厚めに作った方がおさまりが良いです。
アニメ調の感覚が抜けないと、「目を大きく、鼻と口を小さく」という意識になりがちですが、真逆にした方がうまくいくと思います。
横顔
扁平気味に作る位のつもりで。横顔での配置の基準も色々ありますが、Skyrimのキャラメイクでは「扁平」だけ意識してれば大抵どうにかなるんじゃないでしょうか?その他の配置は「眼鏡が違和感なくかけられる」配置をイメージすれば、大体問題無いかと。
それから赤丸部分の「あご幅」と「あごの高さ」。この調整次第で、正面から見た時の輪郭が大きく変わります。
あごを低く、幅広にするだけで、大きく見た目が変わります。他の部分は前の絵と何も変わってないです。
アニメ調の顔を意識して鼻先との落差の大きい顔を作ると魚類万歳的な顔になってしまうので、よした方がいいです。
耳の高さ
上瞼と鼻の下端の間におさまる位の目安が本来ならば良いのですが、耳の高さを変更するとイヤリング系装備の装備位置に支障がでます。 頭のボーンに対してイヤリング位置が決められている場合が多いので、耳位置だけ変更しても追従してくれない為。NifskopeでイヤリングのZ座標を下げることで対応する手もあります。
年齢の調整
子供っぽい顔を作るには、最初に基準の顔を作った上で調整していけば、あれこれ動かしまくった挙句にドツボにハマる悪循環にならないかと。
あとはどう調整するかですが、目を大きく、頭を大きくといった方法を主軸に取ると、あまりうまくいかないと思います。
顔全体
子供は頭が大きいのではなく、頭に対して顔の面積が小さいです。「頭」と「顔」は別のパーツと思って作った方がいい気がします。
顔を小さくするということは、額が広くなり顔のパーツが中心寄りになります。目と目の間は、目1個分よりちょっと狭い感じで。
絵では左右で「頭」は同一ですので、額がちょっと広すぎると思ったら「Forehead Length」の長さを調整したり、あご周りを丸くする(JawやChinのパラメータで調整)と良いです。
目
輪郭としての目が大きいのもいいですが、目に対して虹彩部を大きく作るとうまくいきます。
下の絵は目の輪郭自体はコピペして、虹彩部のサイズだけ変えてます。・・・SSでもよかったですねこれ(汗)
虹彩部の高さを少し上げるのもいいかもです。IrisSizeとIrisHeightでうまく調整してみてください。
鼻
萌え絵調を参考にするなと言っておきながら恐縮ですが、使いまわしに便利なので(汗)
Nose Tip Slope(鼻先の角度)を少し上向きにしてやります。やりすぎるとブタっ鼻になるので注意。鼻のサイズ自体は気持ち大きめにしてやると、おさまりがいいです。
目の位置を下げる、鼻や口もあわせて下げる、額が大きくなりすぎたので小さくする・・・とやっているうちに頭が小さくなりすぎないように注意。
頭があまり小さくなりすぎると、首との距離が相対的に大きくあいてしまいイビツになります。首を細くしてると尚更。FaceBackForwardで奥に押し込むこともできますが、サークレットやゴーグル系装備で顔との間にスキマができますので、ご利用は計画的に。
アニメ調だと首が細いのでそれに習って細くしがちですが、実際は「細い」というよりも「短い」だと思います。
口
丸めにしたあご周りに合わせて、相対的にちょっと大きめでもいいかもです。幅に対して唇の厚みをちょっと増してやるのも良いかと。
実際のキャラメイクの比較
手前味噌でアレですが、まあ色々見逃してください。
中:最初に載せたSSと同じ。ちょっと下あご幅潰し過ぎた気も。
左:あご下げ、口上げ、額を小さく。各パーツの造形は同一。
右:上記の方法で年齢を下げた感じに変更。
左。これだけ見ると目の位置を下げて調整したくなる気もするのですが、目と口の正三角形は実は取れてます。うかつに目を下げるとドツボコース。
右。そんなに大改造してる訳ではないのですが、結構年齢下がった感になります。絵だと分かりづらかったと思いますが、NoseTipSlopeを変更しているので、鼻先の見え方が変わってます。額が広すぎると思ったらForehead Lengthで少し縮めるのも有り。頭自体をあまり小さくしすぎないように注意しつつ。
Chin Lengthであご先を無理に縮めると、あご先が髭っぽく黒くなってきます。子供っぽいキャラ目指したSSでもたまに見かけますね。これは頂点移動に対してノーマルマップが追従できてないからだと思います。オブジェクトスペース型の泣き所。
下段はBlenderで出力したUVMAPをテクスチャにしてみました。縮めすぎたせいであご下部分の頂点が前面に出てきてます。しかしこの近辺のノーマルマップの法線は、空間の「下」を向いている為、この部分は「影」になってしまいます。したがってメッシュは前面を向いているけれど、最終結果は影になり、あご先が暗くなってます。
対処方法は、無茶な値で縮めるのをやめる、頂点移動で修正する、ノーマルマップを修正する、あたりでしょうか。後者になるほど難易度上がると思います。ノーマルの問題なので、ディフューズマップの色をペイントしても改善されないです。
その他
女性は化粧で化けると言いますが、Skyrimも化粧の仕方次第で相当に見た目変わります。ENBや光源次第で千差万別だと思いますが、これも時間かけて色々試した方がいいでしょう。この辺り、男だとノウハウ無さすぎますね(笑)
おまけ
ちんちくりん用のゴーグルは互換性が無いので、Dwemer Goggles and Scouterに
Osare Culort Outfitのゴーグルを合わせてみました。ライト点灯時のグロウ場所、いいのが思いつかなかったので左目の井桁を光らせることに。
あとはゲーム進めながら、気になった所をその都度直せばいいんです(笑)
顔の造形を勉強してみたい人に
William Andrew Loomis氏の本が、著作権期限切れによりpdfで公開されています(英語)。一部は翻訳本が今でも購入できますが、用語やニュアンスの訳がイマイチだった覚えが。原書の方がしっくりくると思います。
フリーになったせいかダウンロード先が一杯ある感じなので、グーグル先生に聞いてみてください。
僕のおすすめは「FUN WITH A PENCIL」。本当の意味の初心者向けの内容ですが、非常に濃いです。文言の重要度が高いので、絵だけ見て終わりにすると勿体無いです。単語調べながらでも読む価値あります。翻訳本の入手は難しいと思います(再販されてたらすいません)。
FIGURE DRAWING FOR ALL IT'S WORTH(翻訳タイトル「やさしい人物画」)が有名ですが、これは「初心者には難しい」という話を良く聞きます。この理由は、人物画の初心者に向けて書かれているけど絵の初心者に向けては書かれていないからだと思います。
ステマコーナー
参考になりそうなAmazonリンクを2冊だけ載せておきます。自分で持ってる本です。
表情カタログ
色々な年齢(大人編はおおよそ20歳~83歳、子供編は新生児のガッツ君から19歳まで)、人種、体型の男女の顔写真です。美男美女ばかり集めた写真じゃないので、色々なタイプの顔があって面白いです。アメリカのアニメーターさんが自分用の顔資料が欲しかったのが発端だとか。
同一人物の多数の表情、アングルのカットが多く、非常に参考になります。カラーじゃないことに不満のある人も多いらしいですが、個人的にはモノクロのおかげで余計な情報が脳に入ってこないので、むしろモノクロでありがたいと思います。
頭蓋骨と筋肉付きのモデルを様々なアングルで撮影した写真も載ってます。大人編は成人男性の頭蓋骨、子供編は新生児と3歳児の頭蓋骨。
写真を使った作例も載ってます。失礼っぽいのもあります(笑)
ページ数はどちらも255ページ、ほぼ全部が写真になってます。この手の書籍にしては安いです。
Amazon
大人編、最上段の兄さんは変顔マスターで、かなり強烈な表情もありますw
Amazon
こんなとこで終わります。
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