キャラクタの顔構造についてです。他の記事でも色々やってますが、プレイヤキャラとNPCでは構造が大きく異なります。
そもそもプレイヤキャラはキャラメイク次第で顔の造形が可変するのに対し、NPCはキャラ別で造形が固定されています。これがそもそもの構造差分の元だと思います。
構造の違いはMODの適用範囲にも影響します。全キャラ適用されてると思ったら、実はプレイヤキャラ限定だったとか、その逆だったとか。
今回はメッシュの構造の差分をまとめます。
各ファイルの場所は、別記事のフォルダ情報を参照してください。
※ほかの記事でもそうですが、「NPC」に対してプレイヤキャラを「PC」と表記していないです。このブログはいわゆるパソコンとしての「PC」ネタも多い為、紛らわしいので「プレイヤキャラ」で原則統一しています。
プレイヤキャラの頭部メッシュ構成
頭(顔)、目、眉、口、髪、生え際の6個のパーツで構成されています。
それぞれ独立したメッシュファイルに分かれてる為、リモデルMOD等により個別でメッシュファイルの差替えが可能です。以下、人間種の女性用の構成パーツの中から例にします。
頭のメッシュ
femalehead.nif。頭単体です。目玉や歯はありませんが、瞼や唇はこちらの担当になります。眉や髪も別担当です。
種族の特徴、キャラメイクによる変形、瞬きや口パクといったアニメーションは、それぞれのモーフファイル(.tri)のおかげで実現されています。表情が豊かになるFemale Facial Animationが有名ですかね。モーフなので表情を動かすボーンは無いです。
目のメッシュ
eyesfemale.nif。眼球と睫毛です。睫毛の部分はアルファ透過になっています。片目のみのファイルも有ります。同じくモーフによるアニメーションなので、ボーンは無いです。
眉のメッシュ
femalebrows.nif。ハチマキ状(というか冷えピタ?)のメッシュに、眉毛のテクスチャが乗っています。メッシュのモーフで眉毛の形が変化します。眉毛そのもの以外は透過しています。
口のメッシュ
mouthhumanf.nif。歯や舌、口腔になります。唇自体は頭の担当です。他と同じく、ボーンを使わずモーフで歯を動かしています。
髪のメッシュ
hair01.nif。髪型によってメッシュ自体が変わります。
生え際のメッシュ
hairline01.nif。こちらも髪型次第で色々です。
NPCの頭部メッシュ構成
プレイヤキャラと異なり、FaceGenDataのメッシュファイル1つに全てのパーツが格納されています。パーツ構成自体は基本的に同じです。髪飾り等が含まれている場合は、すこし増えます。
リディアさんのFaceGenData、000a2c8e.nif。NPCのBase IDと同一のファイル名になっています。
リディアさんのパーツはそれぞれ、
Node6:眉
Node14:口
Node22:頭
Node29:生え際
Node37:髪
Node44:目
となっています。
NPCはプレイヤキャラのようにパーツ個別のメッシュファイルを読まない為、パーツごとのリモデルMODが適用されません。美化MODはFaceGenDataをまるごと新規品と入れ替えます。
例えばNew Mikan Eyesで新規追加された目のメッシュをプレイヤキャラで使っても、NPCの目には影響がありません。まあこれは新規追加なので、当然っちゃ当然です。
プレイヤキャラの口(実際は口の中)だけを、Realistic Teethと差替えました。NPCはFaceGenData内の口を使うので変更対象になりません。テクスチャも新モデルに合わせた独自ファイル名のテクスチャな為、NPCには適用されません。
モーフファイルの注意点
変形に使われるモーフファイルは種族単位の設定な為、プレイヤキャラとNPC共に同じファイルを使います。種族毎に別ファイルが有るとも限らず、結構共用されます。人間種族女性の口であれば、プレイヤキャラとNPC共にmouthhumanf.triを使います。
モーフファイルは頂点情報な為、メッシュに対応している必要があります。上記のようにプレイヤキャラとNPCで異なるメッシュを使用した場合、メッシュが異なるのに同じモーフファイルで対応しようとする為、モーフファイルの不整合が発生します。口の場合、モーフファイルと一致してないメッシュを使っているキャラクタは頂点移動が行えず、口パクで歯が動かなくなります。
あまり無いケースだと思いますが、バニラをリモデルするメッシュで頂点の互換性が無い場合は、注意が必要です。
Head Partsで設定されています。SSはノルド用頭のHead Parts。
NPCの顔のパーツを個別に変更するには?
全パーツが1つのメッシュファイルに纏まっている為、MOD導入だけで個別変更することは不可能です。変更したいパーツを含むFaceGenDataを用意して、まるごと差し替えるしか手がありません。よって美化MODと競合します。美化MOD適用済のNPCに対する口や髪だけの変更は、MODの導入だけでは原則対応できません(FaceGenDataの改造が必要)。
例えば次の2つのMODは、一見すると特定パーツのみ変更するように見えるかもしれません。けれど実際はFaceGenDataを変更する為、美化MODと競合します。
FaceGenDataごとNPCの髪を変更します。顔の造形自体はバニラです。髪だけを差替えたい場合は、自分でFaceGenDataを改造してください。
FaceGenDataごとNPCの口を変更します。一部の美化MOD対応版あり。例えばSBF対応版は、SBFのFaceGenDataとRealistic Teethの口を合体させたFaceGenDataが同梱されています。
サポート外の美化MODと併用するには、髪と同様に自分でFaceGenDataを改造する必要があります。既に書いた通り、メッシュとモーフファイルに不整合があると口パクに不具合が出ます。その為スタンドアロンフォロワや美化MODを色々使っている環境では、運用の難しいMODです(ほとんどのNPCの口はバニラ互換のメッシュの為)。
対策方法(限定的に使う等)はありますが、ここで書くと長くなるのでまた別の機会にでも。
※バニラの口の頂点数は141ですが、このMODの口の頂点数は3440あります。非常に立体的な歯なのですが、これはCBBE胴の3471に匹敵する数であり、結構負荷になるかもしれません。
Female Facial AnimationのOptionalのメッシュファイルであれば、バニラと互換性があります。モーフファイルもそのまま使えるので、こちらの方が汎用性は高いです。
NPCには適用されないMOD
同様の理由で、他の部位のリモデル系MODもNPCに適用されません。あまり数思いつかなかったですが(汗)
Pretty Face(メッシュファイルのみ)
誤解が生じるといけないので強調しておきます。テクスチャはバニラフォルダを読んでいるNPCにも適用されます。
同梱のメッシュファイルのみプレイヤキャラ専用です。NPCはFaceGenDataを読むので、NPCの顔の造形は変わりません。
透明エフェクトによる目のテクスチャ潰れを、メッシュの置換えで直します。NPCはFaceGenDataの目を使うので適用されません。
目の反射光の位置を調整してくれます。NPC目的で導入する人は居ないと思いますが、こちらもメッシュのリプレイスな為、NPCには反映されません。
髪や目は新規デザインを追加するMODが大半なので、リプレイスする物はほぼ無いですね(実際メリットも無いですし)。眉もメッシュ変更する理由がそんなに無さそうです。口は前述の通り、注意して運用してください。
CKによるFaceGenData出力
CKで正しくFaceGenDataを出力するには、プレイヤキャラ同様に各部位ごとのメッシュファイルと、対応したHead Parts設定(esm、esp)やモーフ情報等が必要になります。これらは、いわばFaceGenDataを出力するための"材料"です。
MODに同梱されているFaceGenDataの多くは、Enhanced Character EditやRaceMenuで出力されていると思います。これら"材料"のファイルまで同梱されてることは少ないです(FaceGenDataが完成していれば基本的に不要な為)。よって、CKでスタンドアロンフォロワや美化MODのespからFaceGenDataを出力しても、大抵は正しく出力されません。
CK出力したFaceGenDataの使い道は、ECEやRaceMenuでの出力や、改造したFaceGenDataのNodeのツジツマ合わせに参照する位だと思います。顔黒解消にCKで再出力しても、ほとんどはカオスな顔になるだけです。
以上で終了です!
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