※記事内容に関する注意
この記事はPC Exclusive Animation Pathに関する内容になっています。PCEA2ではありません。
FNIS作者のfore氏によるアニメーション独立化MOD、FNIS PCEA2 - Player Exclusive Animations (dynamic)がリリースされています。FNIS6.0以降のAlternate Animation機能を使用したMODで、種族に関係無くプレイヤキャラのアニメーションを独立化させることが可能になっています(バニラ種族でもOK)。
2016年1月現在では若干の不具合があるようですが(詳細はDescription読んでください)、他MODとの競合リスクが極めて低いです。特に問題無い限りはそちらを使ってください。FNIS自体を阻害するようなBehavior変更をするMODでない限りは問題起きないでしょう。
従来のPCEAを使用した上で困ってる人は、以下どうぞ。
FNISでアニメーションの性別分けができると、今度はプレイヤーだけ別のアニメーション割り振ったりしたくなりません?そんなあなたにPCEAの導入です。
まずFNISのことを知らないと意味不明だと思いますので、知らない人は、こちらから読んでください。
- PCEAの導入の前に注意するべきこと
- PCEAのフォルダ構造の説明
- PCEAはバニラ種族と非バニラ種族でアニメーションを分ける
- PCEAのトラブルの原因となる問題点
- PCEAがespでやっていること
- BehaviorファイルとRace情報の関連
- PCEAのフォロワー適用と上書き競合の対応方法
PCEAの導入の前に注意するべきこと
このMODは便利な反面、トラブルに悩まされて使わなくなった人も多いと思います。「プレイヤーのみに専用アニメーションを割り振る」ことが目的に違いないですが、仕組みは全然違うんです。そのあたりを把握していれば、PCEA絡みのトラブルからは大抵開放されるかと思います。
とはいえこのMOD、Skyrimの構造理解をある程度している人でないと、ちょっとばかり難易度が高めです。適当に使うと絶対にトラブル起こします。
esp書換えや互換パッチ作成をしたくない人は、このMODを使わないことを強く推奨します。この記事の内容が意味不明なら、使わない方が良いと思います(文章力的なのは・・・すいません)。
後述しますが、ロードオーダー最優先で置いておくと非常にトラブルの元になりやすいです。必要な項目だけ切り抜いて互換パッチ作らないと、Race情報を変更するMODと共存できません。
構造理解ができていれば、このesp自体はバージョンアップの必要が無い程にシンプルであり、かつ簡単な作業で競合回避できることがわかります。
TES5Editの使い方わからんけど使うつもりあるぜ!という人は、別記事あるのでそちらを参照してください。 とりあえずこの記事読んだ後でもいいかもしれません。
PCEAのフォルダ構造の説明
なんかFNISのときと似たような図ですが。これを元に話を進めていきます。
バニラのアニメーションファイル
緑色のファイルが、元々存在しているアニメーション関連ファイルです。個別のアニメーションファイルと各種behaviorファイル。FNISで書き換えるファイルも有りますね。通常は男女別の区別のみで、あらゆる人型キャラがこのフォルダのアニメーションを使用します。女性プレイヤでもNPCのお婆さんでも、使うアニメーションファイルは同じです。HDT系の待機モーションとか使った日には、BBAもばるんばるんでえらいことになります。
PCEAのアニメーションファイル
赤字のファイルが、PCEAで新設されるアニメーション関連のファイルです。上の図の四角で囲まれた中から見ていきます。
元々アニメーションファイルは一部が男女別フォルダに分けられていたり、FNISにより更に戦闘系アニメーションも男女別化されたりします。PCEAフォルダの中を見てみると、ここにも「male」と「female」のフォルダがありますね。この中身もアニメーションファイルで、PCEAによりバニラ種族はこのフォルダのアニメーションを使用するようになります。
PCEAによるバニラ用アニメーションファイルは.hktという拡張子になっており、これによりcharacterフォルダ直下のdefaultfemale/male.hkxと共存可能になってます。
PCEAはバニラ種族と非バニラ種族でアニメーションを分ける
なんで「プレイヤ」ではなく「バニラ種族」だけアニメーションを隔離しているか?といいますと、Skyrimの仕様上、アニメーション変更は種族単位でしか不可能な為です。意外かもしれませんが、プレイヤキャラとNPCでアニメーションを分けることは不可能です。同じ種族でキャラごとに変えることもできません。
そのためアニメーションの使い分けをするには、
- 追加種族は従来通りのフォルダのアニメーションを使う
- バニラ種族はPCEAフォルダのアニメーションを使う
と、種族で区切ってそれぞれ違うアニメーションを割り付る意外に手がありません。プレイヤキャラは追加種族であることとなっている理由はこの為です。アニメーション系MODを導入した場合でも、元々のフォルダが追加種族専用フォルダになっているので、バニラ種族には適用されません。バニラ種族でプレイするとプレイヤキャラでもPCEAフォルダのバニラ用アニメーションが適用されます。
※わからなかったら飛ばしてください
正しくは種族情報(Race)のBehavior Graphに「.hkt」のDefault Fileを割り付けられた種族が、PCEAフォルダ内のアニメーションを使うことになります(PCEAのespでバニラ種族全部にこの変更がされてます)。したがってespを自分で直せば、バニラ種族にも独自アニメーションを対応させることが可能です。ですが種族が最小単位な以上、ノルドだけ、インペリアルだけとアニメーションを独立させたところで相当のキャラ数が世界にいます。結果、あまり独立性が無いです。
PCEAのトラブルの原因となる問題点
問題になりそうな項目を、いくつかピックアップしてみます。
適用範囲の問題
すでに書きましたが、PCEAの実態は、「プレイヤーに専用アニメーションを割り当てる」訳ではなく、「バニラ種族と非バニラ種族のアニメーションを分ける」というMODです。つまりプレイヤーだけが追加種族ならば、本来の想定通りに「プレイヤーだけ」が専用アニメーションになります。
しかしフォロワーMODやNPC追加MODで独自種族が追加されている場合ってありますよね?こういった場合はどうなるかといいますと。はい。当然プレイヤーと同じアニメーションが適用されます。専用じゃなくなる訳ですね。これは修正可能です。後述します。ですが仕様上当然の動作なので、直さなくてもトラブルにはなりません。
上書き競合による問題
こちらが一番の問題。PCEAを諦めた人の多くがこれだと思います。ですが、PCEAのespそのものは非常に簡単な構造をしている為、修正は容易です。SSを交えて説明します。TES5Editを使える前提で進めます。
※よい子にはあまり意味ない情報かもです
FNISの追加Behaviorの構造が3.5あたりから(もうちょい前かもですが)大きく変更になった為、大昔に使って断念した人でも、今は使いやすくなってます。
例えば古いFNISとPCEA環境でS○xlabFramework使うとえらい事になってたと思いますが、今のBehavior構造ではPCEAフォルダを割り付けた種族にも、SSLのアニメーション適用される仕組みになってます。
導入後の挙動の問題
納剣/抜剣のモーションがおかしくなる、武器が手にくっついたまま離れない等の挙動がおかしくなるトラブルに関しては、根本的な使い方を間違っているだけなので、Description読んでください。同梱されてるDocumentも含みます。
・・・とはいえPCEAの導入記事ですので、docの抜粋だけ貼っておきます。
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LIMITATIONS
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This mod redirects the paths for these animations:
1. Idles - unsheathed,sheathed,magics, sitting
2. General movements - walking, running, jumping, sneaking
3. Blocking - with all kinds of weapon, except staff bash
4. Hand to Hand power attacksThis mod does not redirect the paths for these animations:
1. First Person animations
2. Attack animations. Except h2h power attacks
3. Landing (after jumping)
4. Sheath/unsheath
5. Killmoves
6. Craft stations
7. Other general animations not mentioned above - horse riding, sandboxes, swimming
hint
redirect:読み込み先変更
unsheathed:納剣状態
sheathed:抜剣状態
sheath/unsheath:抜剣動作/納剣動作
h2h:hand to hand 素手
sandbox:日常生活用AI package
※それでもわからなかったら、このブログのアニメーションカテゴリにある、「PCEAのDescriptionを読んでない故のトラブル」でも読んでください。結構汚い文章なのでリンクは貼りません。
PCEAがespでやっていること
PCEAが何をしているのか、TES5Editで見てみます。
見易さのためにNoDLC版をつかってますが、基本構造は同じです。ちょっと見切れてるようになってますが、これで全部です。Race情報の書換えをしているだけです。
もうちょっと詳しく覗いてみます。ノルド情報を見てみます。右側の窓。他の種族も同一で、いずれもbehaviorファイルが変更されているのみです。defaultmale.hkx、defaultfemale.hkxが、いずれもPCEAで追加された.hktに変更されています。そのほかの値はUpdate.esmに準拠しているようです。
つまり、PCEAを何も考えずにロードオーダー最上位にすると、種族の項目がbehavior以外すべてUpdate.esmの値に上書きされるということになります。これがいわゆる「競合」です。かといってロードオーダーを下げた場合、他にRace情報を変更するMODがあった場合はbehaviorが元に戻る為、該当種族は非バニラ種族と同じアニメーションになります。
こういった上書き競合はPCEAに限らず多いです。気づかない所で細かい不具合になります。ただPCEAの場合は挙動が如実に現れる為、すぐに気づかれるだけだと思います。
BehaviorファイルとRace情報の関連
※意味不明だったらこの項目飛ばしても大丈夫です。
今更ですが、フォルダ構造の図の一番上を見てみると、
defaultfemale.hkx
defaultmale.hkx
というファイルがあります。Race情報に入っているbehaviorはこのファイルです。これが窓口になった上で、同名のファイルである、
\Character\Characters\defaultmale.hkx
\Character\Characters female\defaultfemale.hkx
に繋げてる気がします。(それっぽい記述があった)
PCEAの.hktファイルも同じことをしてますが、こちらは拡張子が変わっており、\Character\Characters\defaultmale.hkp
\Character\Characters female\defaultfemale.hkp
になってます。
GenerateFNISforUsers.exeで更新されるのは、繋げた先の.hkxと.hkpファイルになります。
behavior関連はメモ書き程度ですけど、一応別記事あります。
PCEAのフォロワー適用と上書き競合の対応方法
上記の通り、PCEAはbehaviorをdefaultmale.hktもしくはdefaultfemale.hktに書き換えるだけのespなので、バニラと同じアニメーションにしたい追加種族に対して、PCEAのespと同じことをすればいいだけです。PCEAのDLC対応もそうなっています。前述の通り種族の項目でアニメーションが設定されているので、これ以上は割付を細分化できません。
同じノルドでもリディアさんとイオナさんは別モーションね!みたいなことは無理です。基礎で書きました、「アドレスが変更できる最小単位」というやつです。
上書き競合も同様に、競合MODのRace項目のbehaviorを.hktに書き換えたパッチを作ることで、競合回避できます。
別記事で簡単な実例をやります。TES5Editの使い方と、このブログの「初心者におすすめ」シリーズのことが解っていれば大丈夫です。
実例記事はこちら