TES5Editでの競合の見方がイマイチ分からない人向けです。前編後編の記事で書き方がわかれば、自然とわかることだとは思いますが。一応念のためくらいで。
TES5Editでの競合確認
Breezehome-Hearthfire CTD fixを読み込んだところです。右の窓だけ見てください。
一番左側の紫色の列、Skyrim.esmの中にNavmeshが表示されてます。Navmeshの意味がわからなくても今は問題無いです。何か値が書いてあることだけ見ればOKです。
これはSkyrim.esm、HearthFires.esm、Breezehome-hf-CTD-fix.espの3つで、同じアドレス(BaseID) を変更し合っていることを意味します。
Skyrim.esmでは色々数字祭りになっていますが、残りの2つは何も書かれず真っ白になっています。この真っ白は何を意味しているのでしょう?
- 何も変更していないので左の値がそのまま使われる
- 全てを削除して何も無くなっている
これを1の意味で考えている人が居るかもしれません。ですが正解は2です。アドレスの中身というのは、例外なく一番右にある物が競合勝者となります。「何も書かれていない」所に左の値が繰り上がって有効になるということは絶対にありません。
これはつまり「削除」を意味しています。上の「RecordFlags」に「Deleted」のFlagが立っています。これは該当アドレスの全削除を意味します。
このように、
1つのアドレス(BaseID、RefIDともに)を複数のesm、espで変更しあう
これが競合です。
競合勝者は常に一番右
次はLanterns of Skyrim - All In Oneを見てみます。Climates Of Tamriel - Weather - Lighting - Audio
パッチとRealistic Lighting Overhaulパッチが入っています。
このパッチ2つをいれることでCoTとRLOの両対応になったような気がしますが、実際は見ての通り、2つのパッチは競合します。この場合はCoTパッチが競合敗者(Loser)、RLOパッチが競合勝者(Winner)となっています。競合敗者の値は全面的に潰されます。1つも生き残ることは有りません。ロードオーダーが一番後になる、最も右側の項目1つだけが勝者となります。
Lanterns of Skyrimの場合、CoT用とRLO用でランタンの光源の調整をしているだけなので、両対応という結果は有りません。
アドレス内の一部だけの書き換えは出来ない
基礎編等でもさんざん書いてますが、アドレスの一部だけを改変するということはできません。したがって競合勝者となるesp1つの中に、最終的に必要となる項目を全て書き込むという作業が必要になります。互換パッチという奴ですね。
UFOで書き換えたリディアさんの後に、TestPatch.espというespで上書きしてみました。緑の枠の中、Faction情報とVoice設定が空になってます。このように、
「FactionとVoiceは触るつもりないから書いてないよ」
とした場合、上でも書きましたが、競合勝者は常に右側1つだけなので、最終的には
FactionとVoiceが未設定のリディアさんが完成します!
何がどうあっても一部項目だけ2番手のesm、espから値を取ってくるということはありません。「空白=前のespの値に順ずる」ということは絶対にありませんので、くれぐれも注意して「競合」を見定めてください。
変更していないアドレスには不干渉
念のため補足。最初に書いた通り、この競合勝者ルールは変更したアドレスに対しての話です。上の例で出したUFOを書き換えるTestPach.espの例で言うと、変更したアドレスはリディアさんだけなので、変更していない他のアドレス(例えばイオナさんとか)に関しては、UFO - Ultimate Follower Overhaul.espの値が読み込まれます。変更していないアドレスまでロードオーダー最優先のTestPatch.espが空白で上書きすることはありません。
リディアさんのアドレス000A2C8EはTestPatch.espで変更していますが、イオナさんのアドレス000A2C91は変更していないので、UFOの変更が勝者。右端にTestPatch.espは出てきてません。
こんなとこで終わります。
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